#頭痛

神経学的検査、頸椎Xp、頭部CTなど必要に応じて検査を行います。

一次性頭痛の場合、片頭痛、群発頭痛、緊張性頭痛、神経痛など多くの場合は診断が容易ですが、診断に難渋することもあります。

頭痛のコントロールで、薬物治療が必要になるのは片頭痛が圧倒的に多いです。

アセトアミノフェンやNSAIDにてコントロールできない場合、CT検査を行なって、器質的疾患がないことを確認して、トリプタン製剤の投薬が可能です。

頭痛頻度が多い方には頻度を減らす従来からある内服治療もできます。

さらに、従来型の治療がうまくいかず生活に著しく支障をきたしているような方には抗CGRP製剤の注射も可能です。

また、発作時の新しい内服薬も発売されました。(新しい治療薬はとても良く効くのですが治療費が高いのが難点です。)

治療の選択幅が広がりましたので、頭痛でお困りの方は、御相談下さい。


♯脳卒中(くも膜下出血 脳出血 脳梗塞)

突然発症し、救急搬送されることが多いですが、軽症の場合、数日経過後、一般外来を受診され、診断されることも時にあります。神経学的検査を行い、頭部CT検査で診断できます。急性期であれば、基本的には、入院精査加療が必要になりますので、ご希望の連携病院に紹介させていただきます。

急性期治療後は、再発予防のために、外来で抗血小板療法/抗凝固療法、高血圧症・糖尿病・高コレステロール血症などが必須になります。これらの治療は当院で可能です。


♯もの忘れ(認知症)

認知症とひと言で言っても、病気は一つではありません。脳の病気、例えば、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍や脳卒中が原因になっておこる続発性のものから、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、など多岐に渡ります。また、うつ病などとの鑑別も必要になります。診断は、脳卒中や脳腫瘍のように画像で簡単に診断できません。また、一回の診察では、診断できないことも多く、診断に月や年の単位かかることもあります。治療もそれぞれの病気で違い、良かれと思って処方された認知症治療薬で症状が悪化してしまうこともあります。そのため、認知症を熟知した脳神経外科や脳神経内科の医師に正確に診断してもらい治療を続けることが重要だと思います。

認知症は、MCI(軽度認知機能障害)のうちに見つけて早く治療するのが重要と言って、脳ドックや自費の血液検査をしましょう、という宣伝がありますが、本当にそうでしょうか?これらの検査はどれも高価です。早期診断して治療介入してあげるのはもちろん重要ですが、MRIを撮影してもMCIもアルツハイマーもほぼわかりません。高い血液検査をしてもらって、数字がでても、1回の検査でこの先どうなるかもわかりません。症状が出ていても、診断が難しいのです。そんなに簡単にMCIが見つけられるはずがないのです。そうであれば、特に症状がないなら、あまり先のことは考えずに、何かおかしいなとおもったら、早めに経験の豊富な医者に診てもらい、定期的な診察をうけるのが大事だと思います。


♯脳腫瘍

脳腫瘍の特徴は、発症数は多くないが、色々な種類の腫瘍があり、原発性腫瘍より圧倒的に転移性脳腫瘍が多いということだと思います。

原発性腫瘍は多くの腫瘍があり、悪性と良性があります。悪性の代表は、膠芽腫、中枢神経悪性リンパ腫であり、良性腫瘍の代表は、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫といったところでしょうか。悪性の場合、早期発見できても、基本的に治癒は困難です。良性腫瘍であれば、手術または定位放射線手術/治療(SRS/SRT)で治癒または制御が可能です。

転移性脳腫瘍は、SRS/SRTの進歩により、現在、多発でも10個前後まで、大きさも場合によって4-5cm径でも対応が可能になってきており、発見されてもほとんどの症例で治療が介入でき、機能予後/生命予後を延長できる可能性が高いです。生命予後なんて正確に予測できないのでPSが良好な人であれば、治療をお勧めしたいです。

開業医でも診ていくことができる疾病があるとすれば、無症候性原発性脳腫瘍での経過フォロー、プロラクチン産生下垂体腺腫の薬物治療、SRS/SRT治療を専門施設で治療していただいた後のフォロー、手術治療後の経過フォローや症候性てんかんの治療といったところでしょうか。


♯頭部外傷

頭のけがをした場合、超急性期においては、頭蓋内出血の有無が重要です。強く頭をぶつけた、頭をぶつけた記憶が抜けている、いつもと様子が違う、頭痛、嘔気/嘔吐などがあれば、打撲してすぐにCT検査を受けて下さい。基本的にはその日のうちに受診されることお勧めします。なぜなら、もし頭蓋内に出血していれば、当初元気でも時間経過とともに、少ない出血が増えて具合が悪くなってしまうかもしれません。心配な場合は、なるべく早く受診して下さい。

けがをして、1-3ヶ月程度の慢性期にも具合がわるくなる方がいます。多くは、外傷性慢性硬膜下血腫と言って、遅発性に硬膜下腔に血腫が貯留することが原因です。年配の方やお酒のみの方は注意が必要です。血腫により症状がでるほどになると手術治療が必要になります。頭をぶつけてしばらくして、頭痛や手足のしびれや麻痺が出た場合はご相談下さい。CT検査で100%診断できます。

 


♯めまい

ひと言でめまいと言っても、よくよくお聞きすると症状は様々です。ぐるぐる回るめまいから横揺れ、ふわふわする、頭位変換で起こるものから聴力症状をともなうものまで、、、まずは、脳の異常で起こる中枢性めまいを否定するのが重要ですので、神経学的検査をして、頭部CT検査をします。中枢性でなければ、末梢性ですので、聴力障害を伴うような場合は、原則、耳鼻咽喉科の先生の診察をお勧めしています。そうでなければ、薬物治療で経過をみることになることが多いです。


#しびれや麻痺

しびれの訴えで来院された場合、いわゆる感覚障害のしびれの時もあれば、動かない(麻痺)のをしびれと表現される時もあります。病変は多岐にわたり、脳、脊髄、末梢神経に加え、血行障害まで考える必要があります。しかし、十分な病歴聴取と神経学的検査により、病変はかなり絞ることができます。さらにCT検査と単純レントゲン検査、頸部エコー、ABIなどでほぼ診断は可能です。脳卒中や脳腫瘍など中枢性疾患から脊椎疾患や末梢神経障害、PADなどまで、緊急度や重症度が全く変わりますので、原因を確実に診断することが重要と考えます。